「粋」と「LTソン」と「ランチくじ」〜YAPC::Asia 2012に行ってきた

今年から東大に会場が変わったYAPC::Asiaに行ってきました。

最初に、運営にかかわったスタッフのみなさん、ありがとうございました。この場を可能にしてくれたスポンサー、個人スポンサーのみなさんにも感謝します。

そして主役はなんと言ってもスピーカーの方々、参加者の方々。みんなすごかった。日々の活動の中であれこれ工夫したことが、惜し気なく交換されていて、ここにコミュニティーありというパワーを感じます。技術者としてのカッコ良さ、なんていうか「粋」というのか、そういうものを感じました。2日目午後のPerl今昔物語の中で、こんな会話がありました。司会の馮さんの質問に宮川さんが答えたものです。

これは本の執筆に関する言及でしたが、「競合とか関係ない」というのが、YAPCや、もっと広く日本の勉強会文化の根底にある強さだと思います。ちょっと前に「APIを提供して、たくさん使ってもらった者が勝ち」みたいな言葉が流行りましたが、たくさん出した者がたくさん得るんだなと、それはここにいる技術者達の姿とそのまま重なります。自分ももっと出していかないといけないなー。

今回のYAPCは見たいセッションが重なっていて、というか、全部のセッションを見たくて、体がひとつでは足りないと叫びたくなりました。その悩みに拍車をかけていたのがLTソンで、ホールにいると外から歓声が聞こえてくるんですよね。最初にこの企画を聞いたときには、「2日間もスピーカーを集めるのか、大変だろうな」と思っていました。だけど人がしゃべっているのを見ると自分もしゃべりたくなるもので、それはみんな同じだったみたいで、2日目午後はスピーカーが多すぎて大変になるくらいだったようです。
ぼくも時間をもらって、「Lightning Talk日本上陸」と題して話させてもらいました。日本で最初にLTをやった時、どんな様子だったのかを紹介しました。

最初のLTのときは、1時間で11個のトークをするなんて本当に可能だろうか、10個でいいんじゃないかという心配がありました。みんなとにかく5分で話を終わらせることに命をかけていたw、その結果、56分40秒で11個全部こなしています。とにかく時間内に全部のトークをやること自体も「ネタ」の一部として楽しんだ、フォーマットが面白い、という現象だったんだろうと(今になっては)思います。
この発表の後、LTソンでは1トーク5分質疑応答ナシのフォーマットになってないじゃない、という声が少し出ました。実はぼくのトーク自体も15分以上しゃべってたと思います(ゴメンナサイ!)。その部分について少し言い訳がましいことを書きます。LTは元々、スピーカーが多すぎてセッション枠が足りないことから設定されたフォーマットだったろうと思います。LTソンはそれに対して、「しゃべるということの敷居を下げ、双方向コミュニケーションのできる場を提供したい」というuzullaさんの想いがあって(「やろう!LTソン!」)、そこはばっちり合っていると思います。ツイートからちょっと引用。

Hachiojiスタイルいいですよね。LTとは別の良さがあるので、それを強調したいときは別の名前を使うといいかもしれません。

時間内でなるべく多くの人に話してもらおうとすると、「本来のLT」形式に(自然と)近づきます。きっと最適に近いんでしょう。そこは痛しかゆしかもしれません。つまりHachiojiスタイルは、LTソンの目的には合っていた、それは正しいとか本来とかじゃなくて、最適なフォーマットを選んでる、ということだと思います。

ほんとにそう思います。LTソンを企画・運営したHachioji.pmのみなさん本当に楽しい時間をありがとうございました。

今年はもうひとつ、「ランチくじ」という企画もあって、くじで当たった人達がチームになってランチに行くというものでした。知らない人同士でランチに行くというのはいいですね。シャイな日本人には「くじで強引に決める」のがなかなか効果的だったんじゃないかと思います。2日目の組合せ発表が終わった後、牧さんは「ほらほら、外れた人達も近くの人に声かけて一緒に行って」って言ってたけど、どうだったかな? (すいません、ぼくは昔からの知り合いと2人で中央食堂に行っちゃいました)。単純にシャッフルして掲示するという案もありましたが、不在率が高かったし難しいかなあ。

毎年のことですが、YAPCに行くとものすごくエネルギーをもらいます。今年はとくに、コミュニティーの人と人とのつながりを強く感じました。その象徴みたいにLTソンとランチくじが印象に残っています。Skyarc枠の発表もどれもすごく元気があってすばらしかったです。

自分もなにか少しでも貢献したいと思って、ツイートをまとめておきました。ハッシュタグ検索って、とぅぎゃろうとしてもある程度以上の数はさかのぼれないらしくて、夜になってからでは朝のツイートが取れないことが多いです。早めにスタートしておきました。

もう一度、YAPC::Asia 2012に関わったすべてのスタッフ、スポンサー、スピーカー、参加者のみなさん、すばらしい時間を本当にありがとうございます。